食品ロス(フードロス)と私の街
恵方巻のシーズンになって、食品ロス(フードロス)の問題がクローズアップされていたようですね。
日本語の「もったいない」という言葉は、文脈によっては、英語にも中国語にもぴったり翻訳しにくい単語です。ある種日本人独特の概念でもあり、その日本において食品ロス(フードロス)がこれほど大きな問題となっているのは、残念に感じます。
食品ロスを考える
食品ロス(フードロス)の問題は日本だけの問題ではありませんが、食料危機やゴミ処分の問題に対して、日本人が比較的鈍感なことは否定できないかもしれません。
これに関係する記事を読んでいると、フードバンクというアイデアが注目されているのが分かります。
私の街のフードバンク的なもの
フードバンクとは、何らかの事情で消費されないものや市場に出せなくなったものを、食料を必要としている人のところに届けるシステムのことです。
これと似たような活動は、私が住んでいるカナダでは、主に教会がイニシアティブをとって行っています。市民からの寄付などで集めた食品を、それを必要とする人に無料で供給する働きです。このため、食品配給が行われる日は、教会に長い列ができます。
コンポストというゴミ回収方式
また、モントリオールにおいては、食べ残しを含む台所のごみは「コンポスト」として分別回収することが、段階的に義務化されつつあります。私の住んでいる地区でもすでにそうで、リサイクルゴミと普通のゴミの他に、コンポスト用のゴミ箱が設置されています。
コンポストとは、日本語に訳すと「有機たい肥」がしっくりくるようですが、台所からでる生ゴミや落ち葉などから、花や野菜を栽培するための有用な土壌を作り出すことを指しています。
現在、モントリオールではコンポストできるものを分別することが義務化されていますが、それ以前から私たちは個人でコンポストを集め、自家菜園の土壌として利用していました。
日本でも台所ゴミをコンポストにするための「コンポストボックス」を購入すると、自治体によっては補助金が出るところもあるようです。
ただし、モントリオール市がやっているコンポストは、私たちが自宅でできるコンポストよりも一歩進んだもののようです。
通常家庭でコンポストを作る時には、調理済みの食材や肉や魚などの動物性のものは使用することができません。
おそらく、ネズミなどの小動物を寄せ付けないためだと思うのですが、モントリオールの行政が行っているコンポスト回収では、これらの食材も受け付けられるようになっています。
ゴミが激減した
これにより、私たちの普通ゴミは激減しました。リサイクル(紙、プラスチック、カン、ビンなど)とコンポストゴミを除くと、その他のごみはごく小さくなり、ゴミ袋もスカスカです。
もちろん、このシステムは農業国であり、広大な土地を持つカナダだからできる対策法でしょう。しかし、食品ロスとゴミ問題を両方解決できるこの方法は素晴らしいと思うので、ここに記事として書いておきます。