私の夫はジャズが嫌いです。はっきり「ジャズは嫌い」と言い切る人は、彼を除き、私の周りにはあまりいません。理由を聞くと「スノッブだから」。
…スノッブって?―――なんのこっちゃ???
ジャズが嫌いな人って珍しくない?
ジャズについて「うーん、あんまりよく分かんないんだよねー」という人はいても、はっきりと「好きじゃない」「嫌い」という人は、私の周りには彼以外にあまりいません。
私自身はジャズが好きなので、いっしょにいるときに好きな音楽を聴けないというのは、ちょっと残念な気がします。でも、嫌いというものは仕方ないですよね。
音楽に好き嫌いがあるのは個人の好みですが、ジャズが「スノッブ(snob、もしくは形容詞でsnobby)」とは、どういう意味なのでしょうか。
最近までここが疑問だったのですが、ちょっとわかるような気がしてきたので記事に書いてみることにしました。
スノッブ精神とは
そもそもスノッブとは何でしょうか?
前にも紹介したTEDトークですが、この中でスノッブは「俗物」と訳されています。
スノッブ=俗物精神とは「あなたの小さな一部のみを取り上げ、あたかもそれがあなたの全体像であるかのように見る人」であり、「地球規模の(グローバルな)現象」であると。
さすが、イギリス系の思想家、なかなかウィットが利いています。
彼の言う「小さな一部分」というのは、その人の経歴やキャリアであったりします。
つまり、私たちは往々にして、その人の職業や業績、所有物(財産)を尺度として他人を判断しやすい、そういう世界に生きているということを指摘しているのです。
―――「それって普通じゃないの?」と思った方、あなたはもうすでにスノッブ精神に侵されているのかもしれません。
ジャズはスノッビー(Snobby)なのか?
彼がジャズが好きじゃない理由は、スノッブと関連しているらしいですが、勝手に想像するに、以前彼は金融関係に勤めていたので、そこで大勢のスノッブたちに出会っただろうと推察されます。
そんな、鼻持ちならない相手が好んだものの一つが、ジャズだったのではないかと。
要するにトラウマみたいなものなのかな、と思っているんですが。
確かにジャズを語る人って、ちょっと気取った人が多いような…。
「自分はトレンドも理解して、クリエイティビティな人間なんだぞ」というオーラが嫌味に感じることもなくはありません、苦笑。
鼻持ちならない?「ジャズ」
だからでしょうか。ジャズって、それ自体「お高くとまっている」感がつきまとうのかもしれませんね。他ジャンルの音楽たちと比較してみましょう。
たとえば「演歌」に向かって「あんたなんか嫌いよ」と言ったら、こういわれそうな気がしませんか。
演歌ちゃん:「好かれるも人生、嫌われるも人生。」
「ロック」や「パンク」なら、こう言いそう。
ロック君:「心配すんな、おいらもお前のことなんか嫌いだよ! 勝手にしやがれ!」
それが「ジャズ」だったら、気取ってこう言われそう。
ジャズ氏:「―――君もいつか、僕のことを分かる日が来るさ。」
なーんて、そんな気がしませんか? 私だけかな。
でも、私はジャズが好き
ジャズを知っている人は、「ジャズっていっても、いろいろあるんだけどな」と思ったかもしれません。私もそう思います。
ジャズは決して上流階級のものではありませんし、おしゃれに気取ったジャズでなく、「熱い」ジャズもありますよね。そういうところも分かってほしいんだけどなぁ…。
私もときどきブログで、好きなジャズ曲を紹介していますが、スノッビー(俗物的)にならないように気を付けようと思ったのでした。