起業系ブログやビジネス書を読むと、たいてい決まって出てくる話題は「ビジネスマインド」です。
私はこの「○○マインド」という言葉があまり好きではないのですが、まあ、わかりやすいので使っておきます。
要するに、ビジネス、起業するために必要な心構えみたいなものですね。
ビジネスで成功するための思考法といってもよいでしょう。
そんなビジネスマインドの一つであり、大切だといわれるのが計画性です。「逆算思考」ともいわれます。
○年〇月(○日)までに自分はこれを成し遂げていて、こんな生活を送っている。
というふうに、予定というか妄想というか…(笑)、ポジティブな予測を立て、そこから逆算して「そのためにはX年X月までに○○をやっておかなくてはいけない」と具体的な計画に落とし込むのです。
企業や団体に所属しその一員として働くなら、大掛かりな計画は(あまり)必要ありません。
会社員という立場であっても、管理職についたり経営にかかわる人なら計画性は必要です。
ところが「計画性?うへーそんなもの、ないない」という人は私だけではないでしょう。
小学校のとき、夏休みの宿題を8月31日になってからほとんど半泣きで一気に片付けようとするような子どもでした。
そのくらい計画性とは縁のなかった私ですが、人間なんでも鍛えればできるようになるものです。
私が否が応でも計画性を鍛える羽目になったのは、香港でいきなり飲食店の店長(マネージャー)に抜擢されたことがきっかけでした。
飲食店の店長というと、お客さんからクレームが来た時に謝る人?くらいの印象を持っていました。
でも店長職について学習するうちに、最も大切な店長の業務は売り上げを予測して的確にスタッフを配置することであると、知りました。
開けていればいくらでも客が入って四六時中行列ができるような店なら別ですが、たいていの飲食店には忙しい時期とそうでない時期とがあります。
忙しい時期にスタッフをケチればサービスが行き届かずお客様からのクレームになる一方、暇な時期に必要以上のスタッフを配置すれば人件費がかかりすぎることになります。
だから、週ごと、月ごと、一年ごとの売上予測を立て、それに合わせた人件費予算をとるのです。
そのためには、年間行事や一般会社員の給与支払い日、その地方のイベントなどを把握しておかなくてはなりません。
加えて昨年の売り上げ業績を参照しながら予算を組んでいくのです。
夏休みの計画さえまともに立てることができなかった私ですが、必要に迫られて年間、月間、週間予定を繰り返し作成するうちに、自然と計画することの大切さと計画を持って思考・行動する週間を身につけることができました。
―――と、えらそうなことを言っていますが、まだまだ私も逆算思考などは苦手な方で、楽観的過ぎる計画を立ててしまう欠点があります。
ともかく、やってみなければ何事もはじまりません。身に付きません。
だから、「計画って苦手なのよね」という方も、今年は計画性を磨いてみませんか?
身近なところからでよいのです。
毎日料理をする人なら、買い出しの段階で、一週間の献立を計画するとか。
冷蔵庫にあるものを見て「今夜は何を作ろうかな」とやっている態度を少し変えてみる、なんてところからでよいのです。
計画する、実行してみる、そして計画通りいってもいかなくても、反省する。
これを一つのセットとして繰り返すことで、計画性はぐんと強くなります。
計画と実行だけで終わってしまうのではなく、反省することが大事でもあります。
計画通りいかなかったなら、その原因はどこにあるのか。
計画通り行ったのなら、その成功の秘訣はなんだったのか。
自分なりに分析反省することで、さらにスキルアップできます。
私のようにフリーランスで活動している人にとっても、計画性は大切です。
自分の仕事の速度を把握して、引き受ける案件数を調節しなくてはなりませんよね。
そうやって、ちょうどいいバランスで仕事をしながら生産性を最大にしていくために、計画する力が役立ってくると思います。
年が明けて、すでにもう2月になります。2022年の計画(あるいは抱負)は立てましたか?
まだの方も遅くはありません。
今年をよりよい一年に、充実したものにするために、さっそく年間計画を考えてみましょう。