私は現在携帯電話番号を持っていません。以前使っていたiPhoneはまだ手元にあって、ひとつのデバイスとして使っていますが、SIMカードが入っていないので電話としては機能しません。
「どうして携帯電話持っていないの？ 不便じゃない？」
とよく言われますが、でも、必要ないんです。
携帯電話番号がどうしても必要なとき
いえ、厳密に言うと「完全に不要だ」ということはありません。携帯電話番号がどうしても必要なときもあります。それは、インターネット上のサービスで本人確認が必要なときです。
先日、ツイッターのアカウントを一時的にロックされてしまいました。それを解除するために、パスワードの変更と、SMS送信による本人確認を行う必要がありました。運悪く夫が海外出張中で、ちょっと彼の電話を拝借ということもできず、結果的に約35時間ロックされたままの状態が続きました。
まあ、別にツイッターがロックされたからといって、何か致命的なことになるということもなく、かえってツイッターに費やしていた時間をブログ記事作成に使うことができたという副効果がありました。
その他、携帯電話を使ったSMS送信で本人確認をするシーンはたびたびあります。でも、日常的に頻発するわけではありません。
電話してくる友人もいない…
英語で「My phone doesn't ring.（私の電話は鳴らない）」というと、「僕、友達いないんだ」という暗喩になるそうです。私も少し前まではSIMカードを持っていたので、電話番号を所有していたんですが、文字通り「電話がならない」状態だったんですよね。
確かに、友人も少ないですが…、笑。
というよりも、電話などで話をしたいときには、インターネット電話で十分というのが本当の理由でした。それに、日本と海外との連絡の場合、ネット電話なら無料で使用できます。
在宅で仕事をするので、常にWifiが使える自宅で一日のほとんどの時間を過ごします。そのためデータ通信も必要ありません。それで、SIMカードを解約してしまいました。
我が家は衛星ネット―ワーク
モントリオールでは小さなアパートに住んでいますが、自宅は市の郊外にあります。市中心から約100㎞ほど離れた森の中です。そのため、インターネットは衛星ネットワークしかありません。
私たちは普段あまり意識しないかもしれませんが、インターネットはそもそも物理的にワイヤ―でつながっています。Wifiに慣れてしまうと、インターネット電波が空気中に浮遊しているように感じたりしませんか（私だけかな？）。でも、実際には、世界の大陸はインターネットのケーブルでつながれています。
ところが、我が家のように人口密度が低いエリアにはケーブルが届いていません。そのため、衛星を使ってのインターネット接続になります。
我が家の衛星アンテナは屋根の上にあります。周りが木々に囲まれているので、できるだけ高い位置に設置する方がベターです。
衛星アンテナによるインターネットは非常に脆弱で、さまざまなものに干渉されます。上空を飛行機が通過したり、モーター式の芝刈り機を使ったりするだけでも、ネット接続が干渉されます。最も困るのは、電子レンジを使うとネットが止まってしまうことです（！）。
そういう機械的なもの以外に、天候の影響も受けます。このように衛星アンテナによるネット接続はとても使いづらいですが、それ以外に接続方法がないので仕方ありません。
ネット用の衛星アンテナを増やす計画
衛星でしかネット接続できないエリアは、世界中にたくさんあります。モンゴルを旅行した時には、遊牧民族のテントの横に、地面からニョキっと「生えている」衛星アンテナを見かけたこともあります。
むしろ、インターネットケーブルが届いていないエリアの方が、よほど大きい面積を占めているでしょう。
今、こうしたエリアをカバーするために、大量の衛星アンテナを飛ばしてインターネットを提供しようという試みがあるようです。そうなれば、ケーブルに頼らず、どこにいても衛星に接続しインターネットが使えるようになるかもしれません。
もちろん、データ通信も意味がなくなるでしょう。
私のように、インターネット通話に依存し携帯電話（SIMカード）を持たない人というのは、まだまだ少数派だと思います。私のライフスタイルが少し特殊ということもあるでしょう（加えて、電話をかけてくる友達がいない、笑）。
でも、もし世界のどこにいてもネットに接続できる環境になれば、だれもが携帯電話を所有する意味はなくなると思いませんか？
