はな劇場

地下1階。土壁に囲まれた、アップライトピアノとステージだけの場末パブ。Googleマップには載っていません。

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ソムリエとバナナの叩き売り師との共通点

ソムリエという職業にどんな印象を持っているでしょうか。私もワインが大好きなので(でも本当に好きなのは日本酒だけど)、飲んだワインのレビューをブログ記事にもしています。

 

ワインのレビュー記事を書いていて思うのは、味や香りを言語化することの難しさです。

 

「これ美味しいよ」だけではソムリエ不合格

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私は本物のソムリエではないので、本職の方から見れば「何、勝手なこと言ってんだー」みたいな感じになるかもしれません。

ただ、以前の仕事では日本酒を売っていたので、「お酒を売る」「その人に合ったお酒をおすすめする」という点では、ある程度理解しているつもりで話をすすめます。

 

日本酒を語るときにもそうですが、単に「これ美味しいですよ」では、お客様は買ってくれないし納得もしてくれません。お客様が「おすすめは?」と聞かれるときには、なんらかの「うんちく」を期待していると思うのです。

 

そうなると、このワイン(日本酒)は「これこれこんな味ですよ」「香りがどうで」「この酒蔵はこんなこだわりがあって…」といった、ストーリーをお話ししてあげなくてはいけません。

 

味や香りの言語化もトレーニングできる

以前、時間の感じ方はトレーニングできるというような記事を書いたんですが、 

www.hanatabito.com

 

味や香り、色の感じ方などもトレーニングでなんとかなる部分があります。

もちろん、先天的に持って生まれた敏感さというものもあると思います。私は比較的鼻が鈍感な方ですが、それでもワインの香りを言語化しようと、がんばってトレーニングしています。

 

ボキャブラリのインプットが大切

ブログ記事を毎日更新するうえで、インプットがとても大切だといわれますね。定期的なインプットなしに、継続したアプトプットはできないためです。

味や香りに関するボキャブラリも同じで、他の人がどんなふうに表現しているのかをインプットしておくと、自分でもスラスラと言語化できるようになったりします。

つまり、訓練です。

 

ブラックベリーの香り、乳酸菌っぽい、バニラの風味、そよかぜに吹かれるような、すがすがし、舌にざらつきが残るような…

 

他人がそのワインや日本酒をどんなふうに描写しているのか、じっくりと観察してみます。そして、自分で実際にそのワインを味わってみると「こういう味(香り)のことを○○○○と表現しているのか」と腑に落ちることがあるわけです(腑に落ちないこともあります)。

 

そしてクリエイティブな表現へ

それらの基本を抑えたら、自分らしい表現方法を創造してみるのも楽しいです。味覚や嗅覚の感覚を自分の言葉で表現するのは、想像力をくすぐられる作業です。

 

さらに、日本酒やワインをお客様におすすめする職業であれば、最後に「クロージング」の言葉を忘れてはいけません。

対象となるお酒にまつわるうんちくやストーリー、味と香りの描写が終わったら、そのお客様が断れないセリフで締めます。

 

「○○様におすすめしようと思って、仕入れたお酒です」

「前回、○○を気に入られていたので、これもきっと気に入ってもらえると思います」

「大切な人と飲むには最適のお酒だと思います」

 

 最後のセリフは、カップルで来られているお客様の場合、断る人はいません。

 

 

ソムリエもバナナの叩き売りも演技力

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ワインや日本酒をおすすめするソムリエには、ある種の演技の要素も必要なのかな、と思うのです。

 

コトバでそのワインの世界を描写し、その人に寄り添った提案ができ、さらにその場でのやり取りをパフォーマンスとして楽しませる。

 

私たちは相手に対して、潜在的に期待している態度やムードがあります。ワインのソムリエには、仰々しい顔でワインの楽しさを語ってほしいと期待し、バナナの叩き売りでは騒がしいノリの良さを求めてしまう。

そして、求められているものに個性と創造性を追加して提案できる人に、より惹かれてしまうのではないでしょうか。

 

バナナの売り子にはこういってほしいじゃないですか。

「そこのベッピンさん! 安くしとくよ!」

 

ソムリエもバナナの叩き売りも、テレフォンショッピングのプレゼンテーターも、みんなパフォーマンスなのですよね。

つまり、「ついノセられて、買っちゃっいたい」欲求を満たしてほしいのです。