はな劇場

地下1階。土壁に囲まれた、アップライトピアノとステージだけの場末パブ。Googleマップには載っていません。

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人生の成功とは何を意味するのか

人生に成功すると「勝者」、それができなければ「敗者」という風に言われたり考えられたりします。いつの間にか、私にはたちの世界は「勝つ者」と「負け組」に分かれてしまった。でも、こういう表現や考え方は、それほど古くからあるものではありません。

 

世界は勝者と敗者で満ちているのか 

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この方の記事を読んで、人生の勝敗についていろいろ考えさせられました。思い出したのはこちらの動画。

 

www.ted.com

 

 現在の社交場で初対面の人と会うと、たいてい名刺交換から始まります。相手の名刺の肩書を見て、自分にとって交際する意義のある人かない人かをできるだけ効率的に分別し、必要ない人の名刺はゴミ箱に入るのです。

 

現在の社会において、その人の職業や肩書がとても大きな意味を持っていて、私たちはそれを当然だと思う風潮がある。しかし、それは人間の歴史上それほど昔からあるものではありません。

 

幸運なものだけが得られた富

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英語の「fortune(フォーチュン)」という単語は、「幸運」という意味と「富」「資産」という意味を持っています。

なぜなら、かつて彼らは「幸運」によって「富」がもたらされるためと考えたからではないでしょうか。自由に職業を選ぶことは困難であったし、生まれ持って資産のある家に生まれついた「幸運」な人たちのみが、富を独占できた時代です。

 

しかし今の社会では、当時に比べると、富を築くチャンスがかなり平等に与えられるようになりました。少なくとも日本に住んでいる私たちは、自分の職業や生き方を(程度の差はあるかもしれませんが)自分で選ぶことができます。

つまり、運=fortuneだけに頼らなくても富を得ることができる世の中になったのです。

 

成功者と「敗者loser」

それは素敵なことですが、その結果、不幸なことに社会は「成功者」と「敗者=loser」にカテゴライズされることになりました。

 

勝者と敗者という言葉には、その前提として、私たちには公平な条件が与えられており、その中で試合(ゲーム)を行い実力のあるものが勝つ、というニュアンスが含まれています。

だから、勝つ者は自分の努力にと実力で勝つのであり、負けるものはすべて自分のせいで負けるのだと。しかし、実際にはそうではない、とAlain de Botton氏は語ります。

 

 

成功者はその人の実力と努力だけで富をつかんだとは限らない。同時に自分は敗者だと思っている人も、それはあなたのせいだけではないかもしれない。

そもそも、人が他人を「勝者」とか「敗者」だとか決めつけることに、何か意味があるのでしょうか。

 

何をもって「成功」とするか

人生は、コインの裏表のように「成功」か「失敗」かで簡単にカテゴライズできるものではありません。

 

私の人生における「成功」は、あなたの思う「成功」とは違っていてもいい。

あなたはお金持ちではないかもしれないが、家に帰れば良きパパであるかもしれない。だったら、「良きパパ」になることに自分は成功している、と胸を張っていいのではないでしょうか。

 

人生は思っているほど長くはありません。平均寿命は80歳とも100歳ともいわれていて、だれもがその年齢まで生きる権利があるように考えがちですが、いつ自分の人生が終わるかは誰にもわかりません。

人生は一日一日の繰り返しです。毎晩寝る前に、大切な人と「今日も一日良い日だったね」と笑いあうことが、私の「成功」としてもいいのでは、と思うのです。